Android界隈で話題になっているAndroidを支える技術〈I〉──60fpsを達成するモダンなGUIシステム (WEB+DB PRESS plus)を買って読んでみたので、その感想など。

Androidを支える技術〈I〉──60fpsを達成するモダンなGUIシステム (WEB+DB PRESS plus)
- 作者: 有野和真
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2017/02/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
Androidを支える技術(の一部)
最初に言うと、この本は表示に関する一切合切をかいつまんで解説した本ってこと。一切合切ってのは、Javaなコードだけでなく、C++、Linuxカーネル、GPUなどのハードウェアまでも解説しているということ。そういう意味では、Viewに関わるほぼすべてが書いてある。そういったことをしりたいのであれば、この本は最適だと言える。
ただ、書籍なので重要なことはページを裂いて解説していて、他に知りたいところがあったら、ソースコードを読むしかない。そのソースコードを読みすすめる場合であっても、この書籍はよい道案内になるのではないかと。
ちなみに、Androidのソースコードを読みすすめる場合は、Androidソースコード検索サービス - Developer Collaboration Projectを使ったり、「Opengrokを使って自前にソースコード検索システムを構築する方法」がお勧め。
読者層という疑問
ただ、Androidの宿命というか、様々なソフトウェアレイヤーの話になっているので、ちゃんとついていける読者ってどれだけいるんだろう?という疑問は最後まで拭えなかった(このあたり、作者も気になっているところではあるんだろうけど)。
Androidの初期の頃によく見かけた、ソフトウェアレイヤーの図(赤、青、緑などでレイヤー分けされていた、あの図)や、基本的なライブラリー構造を理解していないと、読みすすめるのも難しい気がする。「どのレイヤーの話なんだ?」と思ったら、あの図を眺めるのがよいのかも。
楽しいよコラム
長い間Androidに関わっている人であれば、本編よりもコラムの方が楽しめるかもしれない。Androidの黒歴史とも言われるHoneyCombの話が最初の方にでてきたり、とか。
私のようなAndroidのプラットフォーム寄りの人間には楽しく読めました。